50,760 通りの広告クリエイティブを用意して、広告クリック率を最大 30 倍に -パナソニックの事例

藤田 治 氏, 浜 朝希 2019年6月 家電

拡大する空質改善市場

花粉やアレル物質など、空気中にはさまざまな物質が浮遊しており、近年の健康意識の高まりから、これらの物質が人体に与える影響への懸念が深まっています。

2019 年 1 - 3 月の国内の空気清浄機市場は、花粉対策需要などの追い風を受け、前年比 12% 増の販売数を記録しました。なかでも顕著な増加を示しているのがオンライン販売で、昨年比で 2 倍となる 31% まで大幅に伸びています。(*1)

現在の自分に最適化された情報を求めるスマートフォン ユーザー

スマートフォンの普及により、わたしたちはこれまで以上に「自分のために最適化された情報」を求めるようになりました。

たとえば、「今日の天気は?」など、場所を指定しない検索が実行された回数は、過去 3 年間で 6 倍にまで増加しています。さらに、自分の居場所を明示せずに行う「近くの〇〇」という形式の検索は、 過去 3 年間で 8 倍と大幅に伸びています。(*2)

 この理由として、「スマートフォンなどのデバイス側で現在の位置情報を考慮し、適切な情報を表示してくれるはず」という無意識の期待が浸透したためだと考えられます。

メッセージを一人ひとりに効果的に届けるために

パナソニックは、20 年以上前から空気環境の改善に取り組んでおり、2003 年には世界初「ナノイー」搭載の空気清浄機を発売、2016 年には「ナノイーX」を開発して同社の製品に活用しています。

そして、マーケティング領域においては、生活者の空質改善への意識の高まりと、ユーザーが情報に求める期待値の変化を受け、一人ひとりにカスタマイズした情報を重視。冬から春にかけて特に関心の高まる花粉・ウイルス・乾燥の情報と、それらに効果を発揮する「ナノイーX」というメッセージを効果的に届けるために、 株式会社メンバーズと協力して 50,760 パターンのオンライン ディスプレイ広告を配信したのです。

広告キャンペーンは、以下の各要素を組み合わせたパターンから、ユーザーに最も適した広告クリエイティブが選ばれ配信されます(下図参照)。

図:Panasonic が配信した50,760 通りのディスプレイ広告クリエイティブ

50,760 通りの広告クリエイティブを用意して、広告クリック率を最大 30 倍に -パナソニックの事例

・3 種類の測定項目: 「花粉」、「ウイルス」、「乾燥」
・4 段階の程度 (日本気象株式会社などの外部機関が発表する情報に基づき決定):「 厳重注意」、「警戒」、「やや注意」、「心配なし」
・47 の場所: すべての都道府県
・90 の日付: キャンペーンを展開する全日程

図:生成されたクリエイティブ例

50,760 通りの広告クリエイティブを用意して、広告クリック率を最大 30 倍に -パナソニックの事例

合計 50,760 通りの広告クリエイティブを人力で運用することは現実的ではありません。このため、Google マーケティング プラットフォームGoogle Web Designer(*3)

を活用することにより、大量の広告クリエイティブを自動で作成・配信する仕組みを実現しました。

50,760 通りの広告クリエイティブを用意して、広告クリック率を最大 30 倍に -パナソニックの事例

個別の生活者にカスタマイズしたキャンペーンの結果と今後の展望

 一人ひとりにきちんと向かい合って、個々のユーザーに関連性の高い形で商品を訴求するという手法はきわめて有効な成果を生み出し、ディスプレイ広告のクリック率を最大 30 倍まで急増させました。さらに、このディスプレイ広告から「ナノイーX」サイトを訪問したユーザーの滞在時間は、広告に接触していない訪問者の約 2 倍に伸びました。

今回のキャンペーンの手応えについて、パナソニックの藤田治氏はこう語ります。

「多くの人が悩まされている花粉、アレル物質、ニオイ、カビ、菌やウイルス、PM2.5 などに対し、『ナノイーX』は 1 年を通じてさまざまな抑制効果を発揮します。今回のキャンペーンでは、日々の空気環境に合わせて最適化した広告配信により、飛躍的にすぐれた結果を得ることができました。今後は他の商品や事例でも Google の広告テクノロジーを活用し、パーソナライズドマーケティングに積極的に取り組んでいきたいと考えています。」

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