モバイルアプリプロモーションにおける休眠ユーザーの復帰と広告費用対効果を最大化するアプリ エンゲージメント キャンペーンと KONAMI の『遊戯王 デュエルリンクス』における活用例

石井 一樹, 長島 大介, 藤田 祐輔 2019年3月 モバイルアプリ, ゲーム

モバイルアプリゲーム業界の現状

スマートフォンで遊べるモバイルアプリゲームについては、一部のタイトルを除き、その多くが無料でインストールが可能で、その後ユーザーの意思でアイテムなどを購入することにより収益化するビジネスモデルになっています。

そうしたビジネスモデルの中で、ゲーム会社にとってインストールして多くのユーザーに遊んで楽しんで頂く事に加え、アプリ内アイテム等の購入による有料ユーザーを増やす事も重要な点となります。

データでみると、そもそもモバイルアプリをインストールしても利用しなくなってしまう人も多く、アプリインストールの翌日そのアプリを利用するユーザーはインストールしたユーザー全体の内 26% で、2 週間後も利用しているユーザーは 12% という調査もあります (*1)。

そして、過去数年間で モバイルアプリゲームで遊んでいると回答した対象者のうち、およそ1/3しか実際にアイテムなどを購入した有料ユーザーはいません (*2)。

また、同じ調査によると、1 割の有料ユーザーが支払い総額の 8 割を占めているという、熱狂的なファンに支えられている状況があり、ゲーム会社はそうした熱狂的なファンになってくれるユーザーを効率的に見極める必要があります(下図参照)。

図:熱狂的なファンが支えるゲーム業界

図:熱狂的なファンが支える ゲーム業界

アプリ エンゲージメント キャンペーンで広告費用対効果を最大化

こうした現状の中、一度自社のゲームをインストールして遊んでくれたユーザーへ、再度ゲームへの復帰を広告で促すアプリ エンゲージメント キャンペーンの利用が可能になりました。

アプリ エンゲージメント キャンペーンは「 Google 検索」、「 Google Play 」、「 YouTube 、Google ディスプレイ ネットワーク」といった Google の広告面を、機械学習によりキャンペーン目的に沿って最も効率よく活用できる広告手法です。今回、その最適化させるキャンペーン目的として、“広告費用対効果”が選択可能になりました。

これによって、有料ユーザーになってくれる可能性の高いユーザーに優先的にコミュニケーションをすることで、単にモバイルアプリのインストールや起動だけでなく、広告費用対効果を最大化することが可能になりました。

コナミデジタルエンタテインメント(以下、KONAMI) の『遊戯王 デュエルリンクス』では 従来の 2 倍以上の広告費用対効果を確認

『遊戯王 デュエルリンクス』は、人気アニメ「遊☆戯☆王」シリーズを題材としたトレーディングカードゲーム( TCG )をモバイルアプリで楽しめるゲームで、リリースから 2 周年を迎え、累計ダウンロード数 が9,000 万を超える人気ゲームタイトルです。

リリース後 2 年が経過し、「新規ユーザー」とともに、一度ゲームをインストールし遊んでいたものの、その後ゲームを遊ばなくなった「休眠ユーザー」(今回の場合は 2 週間以上遊んでいないユーザー)も増えてきた事で、再びゲームを楽しんでもらえるユーザーをどのように増やせるかがプロモーションの課題でした。

その課題を解決するため、プロモーションにおける広告費用対効果を高めることに最適化したアプリ エンゲージメント キャンペーンを活用したところ、休眠ユーザーの復帰(アプリ起動)に最適化したキャンペーンと比較し、 2 倍以上の広告費用対効果を確認することができました。


同社プロモーション企画本部 デジタルマーケティング部 副部長 佐藤大介氏は、今回の成功につながった理由として、下記を挙げています。

・定常的に休眠ユーザー情報を更新したこと
・アプリ エンゲージメント キャンペーンの機械学習が効率的に働くよう下記を配慮したこと
 −日額予算は設定した CPA(アクション単価) の 10 倍以上の設定とする事
 −動画が配信可能な配信面の活用も意識し、動画クリエイティブを複数用意した事

活用された代表的なクリエイティブ

©高橋和希 スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・NAS ©Konami Digital Entertainment

今後の KONAMI では、この広告費用対効果に最適化されたアプリ エンゲージメント キャンペーンを『遊戯王 デュエルリンクス』のみならず、他の展開するゲームタイトルでも同様に活用を進めていきます。また、ゲーム内の大型キャンペーン時に休眠ユーザーへの復帰を促す告知の場としても、ターゲットに対して YouTube でアプローチ出来るアプリ エンゲージメント キャンペーンは、魅力的であると感じており、今後そのアプローチ方法や有用性について検証を重ねていきたいと考えています。

 

[遊☆戯☆王について]
「遊☆戯☆王」は「週刊少年ジャンプ」で連載された高橋和希先生原作の人気マンガで、TVアニメ「遊☆戯☆王」シリーズも好評放送中です。
コナミデジタルエンタテインメントでは、1998年から家庭用ゲームを、1999年からはトレーディングカードゲームを、世界中で多くのお客様にお楽しみ頂いています。

 

連載第 1 回:拡大し続ける日本のゲーム市場で効果的に収益化を図るには