アプリキャンペーンと Firebase を活用しアプリユーザーの獲得単価を改善 -りそなグループ

持井 美紅
/ 2019年11月 / モバイルアプリ

スマートフォンがますます普及する中で、デジタルやアプリを活用したマーケティングを積極化する動きが、金融業界でも加速しています。この記事では、りそなグループが、Google のモバイル開発プラットフォーム「Firebase」と、Google 広告の「アプリキャンペーン」を活用して、新たなユーザー獲得のアプローチ方法を見出した事例を紹介します。

郵送 DM の限界と課題

りそなグループは残高確認などの照会機能のほか、スマートフォンでさまざまな銀行取引が完結できる「りそなグループアプリ」を提供しています。同アプリの認知やインストールを促進するために、既に口座を開設しているユーザーの中で、特にアプリをインストールしてくれそうな若年層などを対象に、四半期に一度、郵送でDMを送付していました。しかしりそなによると、社内データも次第に枯渇し、それのみに依存したアプリのインストール促進には限界を感じていました。

また、「若年層がDMでアプリを認知した後、インストールしてくれるのか」「郵送のDMで、アプリ本来の利便性や魅力を十分に伝えられているのか」という課題感もあったと言います。リスト作成やDM送付の対応工数を鑑みても、アプリの真の価値を多くの人に届けるには、まだまだ改善の余地があったのです。

アプリキャンペーンと Firebase で、新規顧客にリーチ

アプリの開発やマーケティングを手がけるりそなホールディングスオムニチャネル戦略部は、Google の「アプリキャンペーン」に着目しました。顧客リストを必要とするDMと異なり、アプリキャンペーンでは、広告文や入札単価などを設定するだけで、Google 検索や YouTube などを通じて、ターゲット層にリーチすることができます。

また、Google が提供する、モバイル開発プラットフォーム「Firebase」によって、アプリ内でのユーザーの行動を分析し、パフォーマンスに関するインサイトを取得。そのデータをアプリキャンペーンにも活用しました。

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動画では、アプリのインターフェースが分かりやすく使いやすいことや、口座登録までのステップがシンプルであることなどを、具体的なアプリの画面を使って訴求しています。特に若年層が苦手意識を持たないように「手間や時間がかからない」「難しくなく、わかりやすい」アプリであることを体感的にイメージしてもらえるように構成しました。

ユーザー獲得単価、DM より2 割改善

本アプリでは、ユーザーにインストールしてもらうのはもちろん、アプリ内で口座を登録してもらうことが最終的な目標になります。この口座登録というコンバージョンに対して、Firebase で分析したデータをアプリキャンペーンに連携し、機械学習による自動最適化を図ることで効果的なプロモーションを展開しました。

アプリキャンペーンを実施する前は、社内でもアプローチしたい層に本当にリーチできるのかという懸念もありましたが、結果的に、アプリインストール数と口座登録数を伸ばせました。

アプリキャンペーンでは広告文や入札単価と予算、対象の言語と地域を設定するだけで、自動でさまざまなパターンの広告をテストします。その中で特に効果の高い広告を選別して配信できるため、従来の郵送による DM と比較すると口座登録まで行うユーザーの獲得単価は、2 割程度改善できました。

今後に向けて

一連の効果検証を終えて、りそなホールディングスオムニチャネル戦略部の松本昌樹氏は、今後の展開に向けてこのように話します。

「当社にとって個人のお客様との取引を着実に積み上げていくことは、重要な戦略の 1 つです。その狙いの上で、まずはアプリから口座を登録いただくことが、大きな一歩になります。多くの方が手間だと感じてしまいがちな口座登録をストレスなく進めていただくためには、導入時のアプリの使いやすさ、ユーザビリティをいかに実現するかが重要です。つまり、どこの銀行で口座を開設するのか? という選択時の判断基準が、アプリのユーザビリティにあるといっても過言ではない状況になってきています」

「Firebase を活用することで、ユーザーの声もすぐに反映できる状態になっていますので、今後も既存のアプリユーザーの声を真摯に受け止め改善しながら、 "アプリがあるから口座を作ろう" と感じていただけるような利便性を追求していきたいと考えています」

コントリビューター 戦略顧客営業本部 インダストリー・マネージャー 榎本 一希

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