ディスプレイ広告による店舗への誘導施策を自動化する - 世界初となる機械学習を活用した全自動化で 36% 来店者数増加を実現したニトリ

林 大貴, 早乙女 太郎, 大迫 正治, Franziska Maack 2018年9月 ディスプレイ, 生活者インサイト, 小売

インターネットの普及は、店舗売上比率の多い小売業のビジネスにも影響を与えています。実際に、家具・インテリア業界の最大手で、31 期連続増収増益を達成し、順調に国内外店舗数を増やし続けているニトリでも、O2O(Online to Offline)は重要施策の一つで、EC 事業は当然ですが、広告でもインターネットを活用しています。この記事では、Google が提供する O2O ディスプレイ広告の入札単価調整を世界で初めて自動化し、来店者数を大幅に増やしたニトリの取り組みをご紹介します。

なぜニトリは自動化を推進したのか?

同社では、増え続けるオンラインユーザーを店舗送客につなげるため、来店計測を活用してオンライン広告の成果を着実に計測し、最適化に活用していました。
しかし、来店単価を KPI とした自動入札は存在していなかったため、パフォーマンスを最大化できているとは言い難いことに加え、手動による入札調整には大きな作業負荷がかかってしまっていました。
今回、Google が新しい自動入札の一つである「目標来店コンバージョン単価」を開発したので、そちらを導入することで入札単価調整作業を自動化し、人力では分析不可能な量のデータをリアルタイムに分析・最適化しました。

施策の結果

「目標来店コンバージョン単価」の成果は驚くべきものでした。手動で運用していた時と比較して、 36% もの広告経由の来店者数増加を実現しました*。

図:自動化前後での店舗来店者数増

自動化前後での店舗来店者数増

この結果は、自動入札にすることで来店単価を抑えることができ、同規模の予算で店舗来店者数増加に結びつけることができたことを示しています。
*自動化切替前期間: 2 月 27 日 - 3 月 13 日
自動化切替後期間: 4 月 10 日 - 4 月 24 日

ここに至るまでに、ニトリでは 店舗誘導施策について下記のステップを着々と進めてきました。

  • 第 1 段階:Google の 来店コンバージョンの導入による効果の可視化、分析
  • 第 2 段階:可視化された来店データを手動で最適化
  • 第 3 段階:可視化された来店データを自動最適化、好循環を生み出す

図:ニトリの店舗誘導施策

図:ニトリの店舗誘導施策

自動化することで、工数削減だけではなく、成果を向上させるために下記のようなことがGoogle の自動入札ソリューションの中で可能になりました。

  • 1. 来店計測:Google の来店コンバージョンを活用し実際の来店者データをリアルタイムで計測
  • 2. 自動最適化:来店計測データを機械学習で処理し、店舗までの距離、デバイス、配信面、時間帯など様々な要素から来店の可能性が高いと予測されるユーザーを重視した入札単価調整をリアルタイムに実施
  • 1 と 2 を繰り返すことによって、より効率的な広告出稿が可能になる好循環を生み出す

ニトリでも、導入当初は中間指標であるクリック率が改善されていない中、本当に良い結果になるのか疑問でしたが、最終的な結果としては来店単価が下がり来店者数が増加、大いに満足のいく結果となりました。


同社 WEB 広告宣伝グループ担当者は、「ディスプレイ広告の入札を来店コンバージョンを KPI とした自動化にすることで、来店数を大きく伸ばせたことは画期的な成果でした。今後は自動入札化広告キャンペーンの範囲を拡大していくとともに、ディスプレイ以外のメディアも含めた自動化を推進していく予定です。また、より精緻な目標来店単価を算出し、オンラインとオフラインを合わせて最適化した広告出稿を行っていきたいです」と語っています。

Google の機械学習(TensorFlow)を活用し一人ひとりに最適化されたマーケティングの実現を目指す-ニトリ× Google 共同マーケティング事例