ふるさと納税額を前年比 4.7 倍に - 田村市と Google の挑戦

陳内 裕樹 2019年7月

2008 年度から始まった「ふるさと納税」は昨年でちょうど 10 年を迎えました。最初の数年は利用額、利用者数ともに低迷を続けましたが、2014 年から急成長が始まります。利用者は年々増加し、初年度には約 81 億万円だったふるさと納税受入額は、2017 年度には約 3,653 億円。全国の自治体が課題としている税外収入創出策の 1 つとし(*1)て、その存在感は増しています。(*2)

ふるさと納税額を前年比 4.7 倍に - 田村市と Google の挑戦

総務省発表:ふるさと納税の受入額及び受入件数(平成 29 年度実績)より

この記事でご紹介する福島県田村市も、ふるさと納税に地域活性化の活路を見出す自治体の 1 つ。田村市の総人口は 36,716 人(推計人口、2018 年 10 月 1 日)で、少子高齢化による人口減少により、税収の減少が市の課題となっていました。将来的にも、2040 年には人口 2.2 万人、高齢化率 51.5% という予測もあり、税外収入の確保が急務でした。その対策の 1 つとしてふるさと納税へのテコ入れを本格的に行うことになり、初のデジタル広告導入を決断。結果、ふるさと納税額前年比 4.7 倍という大成功を収めました。成功要因は何だったのか。その施策と成功のポイントをご紹介していきます。

デジタル広告の初導入における、苦労や工夫は?

田村市が行った初のデジタル広告は、Google 検索連動型広告とディスプレイ広告の 2 つでした。事前準備として最初に、組織としての体制づくりと考え方の転換をおこないました。なぜなら、成功するデジタル広告には広告担当者による戦略的思考と運用知識、そして関係者の協力が非常に大切となるからです。

 組織が、新しいチャレンジに一丸となって取り組むには大変なパワーが必要です。田村市のケースでは、副市長がデジタル化の牽引役として幹部職員、財政担当職員を説得して回り、Google も協力し、職員向けデジタルマーケティングセミナーも複数回開催。関係者全員を巻き込むことで、まずはデジタル広告への理解とやる気を促進していきました。さらに役所内でふるさと納税プロジェクトチームを立上げ、Google 社員も田村市経営戦略アドバイザーとして参画、戦略的、主体的に実行できる体制を整えていきました。

施策における工夫と、おさえるべきポイントとは?

具体的施策は、検索連動型広告とディスプレイ広告をつかい、田村市の特産品(桃太郎トマト・地酒など)や、ふるさと納税に興味関心を持っていそうなユーザーに広告を配信し、特設のランディングページへ誘導。ランディングページでは、田村市の特徴や市政への取り組み、特産品の魅力をしっかりと伝え、ふるさと納税への関心を高めてから、ふるさと納税ポータルサイトへ、という流れをつくりました。

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