検索データから見る映画トレンド

think with Google 編集チーム 2月 2017 検索, エンターテイメント

2 月 26 日に、ハリウッドで 2017 年アカデミー賞の授賞式が行われました。昨年大ヒットしたアニメ映画『君の名は』は惜しくもアカデミー賞候補入りを逃しましたが、日本からはスタジオジブリの『レッドタートル ある島の物語』が選出されています。また昨年は、『君の名は』以外にも『シン・ゴジラ』など話題作がいくつも公開され、興行的にも大成功をおさめました。これらの映画人気が、どのように生活者の検索行動に現れるのか見ていきます。

検索データから見る人気映画

 

昨年の興行成績トップ 10 に入った映画について、 2016 年の興行収入と 2016 年 の総検索数の相関関係を見てみました1(図 1 )。相関係数は 0.96 と高い数値になっており、人気や話題のトピックと、検索による情報収集が連動していることがよくわかります。

図 1 検索数と興行成績の関係(相関係数:R = 0.96 )

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予告編と本編の人気相関

次に、興行成績と YouTube にアップロードされた公式チャンネルの予告動画視聴数の相関関係も見てみました(図 2 )2。こちらの相関係数も 0.89 と高く、映画に興味や関心を持った生活者は、検索による文字情報に加え、YouTube の予告動画による映像情報にもアクセスする傾向がわかります。

図 2 興行成績と YouTube にアップロードされた公式チャンネルによる予告動画の視聴回数の相関(相関係数:R = 0.89)

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さらに、検索の盛り上がりと公開日の関係について調べてみました。図3 は、検索が最も多いポイントを100 として、 2016 年 1 年間の検索のトレンドを示したものです3。それぞれ公開日前後で検索量が増えはじめ、その後、公開日前後の週末や連休にピークを迎えることがわかります。例外は『君の名は』で、公開日直後にいったんピークに近づいたものの、その後 4 週間にわたり 90% 台で推移し、4 週間後 ( 9 月18 日の週 ) に再び検索量が最大化しています。これは、公開直後に映画を見た人の口コミなどによって人気が波及していったためと考えられます。

図3 2016 年 1 年間の検索のトレンド

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通常、ピーク時の検索量を 100% とした場合、その 50% 以上の検索ボリュームを維持できる期間は、例にあげた上位5作品ですら 3 ~ 6 週間ほどです。注目に値するのは興行成績 37 位の『この世界の片隅に』で、ピーク時の検索ボリューム総数は上位 5 作品より低いものの、11 週間にわたってピーク時の 50% 以上の検索数を維持していました。

増加する「映画を観に行きたい」というマイクロモーメント

「映画」というキーワードと一緒に検索されている上位 30 キーワードを調べたところ、「外国」「DVD」「ランキング」「上映中」など映画に関する一般的な情報を求めるほか、各繁華街の名称が全体の 3 分の 1 を占めていました3(図 4 )。これは数年前に比べ増加しており、たとえば「映画」と「新宿」を組み合わせた検索ボリュームは、 2015 年1月と2017 年の同月比では約 2 倍に増えています。また「海老名」や「梅田」といった繁華街の検索も大きく伸びており、映画を観に行きたいと思った瞬間に、スマートフォンで地名検索をしたり、映画の上映時間を調べたりしていることが見て取れます。

図 4 「映画」と一緒に検索されているキーワード上位 30

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増加する映画関連動画の視聴

YouTube の「映画カテゴリー」の動画視聴者数を見てみると、2015年1月と比較して、2016年には 約4倍まで増加しました3(図 5)。

図 5 映画カテゴリーの動画視聴数推移

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日本の映画カテゴリーにおいて、よく視聴された動画や共有された動画として、「人気映画の予告編」「映画関連音楽の動画」そして「ユーザーが人気映画のその後のストーリーを想像してつくったオリジナル動画」などがあげられます。

これは、日本だけでなく世界でも同様の傾向で、人気映画に関連する動画は YouTube 上で多く視聴されています。アメリカでは、 Pixability (英語) というリサーチ会社から YouTube の映画関連動画について新しい調査が発表されました。それによると、人気映画の予告編動画は動画 1 本あたり高い平均視聴数を誇っており、特にスーパーヒーロー系、アニメ、SF系の予告編動画が視聴数上位 100 本の映画予告動画のうち 74 本 を占めていました4。また、同調査ではYouTube 上でエンゲージされた映画関連コンテンツについても分析しており5、公式またはファンによりカバー(歌唱や演奏)された映画内の音楽に関連する動画が最もエンゲージメントが高い結果でした。これは、例えば、各映画に関連する YouTube 動画の総合視聴数を分析してみると、『ラ・ラ・ランド』のような古き良き時代を回顧できるミュージカル映画は15 億回の視聴数を誇っており、2 位の 『ライオン』 を圧倒していることがわかりました6

2 月 26 日、米国ではアカデミー賞が発表されました。また、日本アカデミー賞は 3 月 2 日発表となります。日米アカデミー受賞作品と同時に YouTube の映画関連動画もお楽しみくださいね。

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