CPG マーケターが時代の変化を捉えるための意識改革: 3 つのポイント

マーケターは日々、競合状況や市場動向、生活者ニーズなど業界のさまざまな変化にさらされています。ビジネスの成否は、この変化への対応にかかっているといえます。

Google に参加する前、私はさまざまな小売マーケティング チームを率いており、そこでテクノロジーが業界や生活者にもたらした大きな変化を目の当たりにしてきました。ショッピングはユーザーにとってより気軽なものとなりましたが、ブランドはこれまで以上に厳しい競争と試練にさらされています。私たちは、生活者優位の新たなカスタマー ジャーニーに照準を合わせ、戦略を練りなおす必要がありました。

もしそうしていなかったら、どうなったのでしょう。おそらく、生活者の期待に応えることができず、淘汰されていたはずです。この変化を「ユーザーとより有意義かつ緊密につながるための絶好のチャンス」と捉えることができず、表舞台から姿を消した会社を数多く見てきました。 

ユーザー行動の変化に伴い、今また、消費財( CPG )市場が同様の転換期を迎えています。ユーザーが商品に関心を持って情報収集を開始し、購入に至るまでの道のりは、これまでと同じではありません。私はいつも、米国の大手 CPG ブランドのリーダーと対話するとき、健康関連商品やアパレルと同様、消費財の購入者の半数以上がデジタルから影響を受けていることを伝えます(*1)。

さらに、2015 年には CPG カテゴリの商品の大半が必需品ではなくなっているという事実を踏まえ(*2) 、今までと同じ意識では生き残ることができないと強調します。もはや、主導権を握るのはブランドではありません。生活者自身が、情報を求めるタイミングとその方法を決定する時代なのです。

長年親しんできた方法を変えるのは容易なことではありません。しかし、CPG 業界のマーケターが勇気を持って変化しない限り、時代に取り残されていった小売業界と同じ道を歩むことになるでしょう。CPG 業界に対して、私が以下の 3 つの観点から意識改革を訴えているのはそのためです。

CPG マーケターが時代の変化を捉えるための意識改革:  3 つのポイント

商品の善し悪しを気にしない

CPG マーケターに対する重要なアドバイスの 1 つが、「商品の優劣に基づいてカテゴリーを分けない」ことです。気に留めるべきは、ユーザーの意向のみです。

ユーザーが何かを検索するのは、商品を比較検討するためです。 CPG 関連で特に検索数が多いのは、ソフトドリンク、香辛料、ドレッシング、塩などです(*3)。これは、生活者がこれらの商品に関心があることを示すデータであり、絶好のプレゼンテーションの機会です。見逃してはなりません。

先日実施した調査では、最近 CPG を購入したユーザーの 43% が「検索を使用して情報を収集した」と回答しています(*4)。さらに、商品を検索したユーザーは、検索しなかったユーザーより購入金額が 50% 多いことがわかりました(*5)。ユーザーは自分から進んでドアをノックして商品を求めています。チャンスがそこにあるのです。

ユーザーが求めている情報をウェブサイトに提示

検索は、マーケターが考慮すべき要素の一部にすぎません。検索結果に自社ブランドの商品が表示されればよいというわけではありません。重要なことはクリックされるかどうかです。ブランドは、ユーザーが求める情報を提供するウェブサイトに誘導しなければなりません。

最近の購買行動について尋ねたところ、買い物をする前、あるいは買い物しているとき、情報収集のためにブランドのウェブサイトやモバイルアプリを利用したユーザーの 4 分の 1 は、利用しなかったユーザーに比べ、購入金額が 108% 多いことがわかりました(*6)。検索を利用して、より多くのユーザーをウェブサイトへ誘導し、役立つ情報を効果的に届け、商品の魅力を伝えましょう。

今後、多くの意思決定者が自社サイトの価値を再認識することでしょう。たとえば資生堂は、デジタルのリテラシーが高い今の時代の生活者の期待に応えるため、頻繁にウェブサイトを更新しています。ユーザーは、CPG を購入する前に何度も検索を行い、複数のウェブサイトを訪れ、期待が満たされなければすぐに離れてしまいます(*7)。マーケターに求められているのは、自社のウェブサイトを充実させ、有益かつ魅力的な情報を提供して購入へ結びつけるというアクションです。

動画を使って新たなユーザーにリーチ

最近では、多くのユーザーが YouTube のようなプラットフォームを利用して情報収集したり、関わったり、楽しんだりしています。将来の顧客とつながるために、これらのツールを利用しない手はありません。

YouTube は、生活者にとって魅力的なツールですが、CPG マーケターにとってはビジネスを強力に推進させてくれるものです。なぜなら、ユーザーが楽しんでいるプラットフォームだからです。たとえばケロッグは、新学期に合わせて Rice Krispie Treats の動画を YouTube に配信したところ、商品の売上が 4% 増加しました。

美容の分野でも、同様の成功例があります。YouTube 広告がユーザーの購買行動に与える影響を調査したところ、美容関連の商品を購入するにあたり YouTube でブランドの動画を視聴したユーザーの 40% は、視聴しなかったユーザーに比べ、購入金額が 40% 以上多かったことがわかりました(*8)。YouTube を味方につけましょう。YouTube を活用していない CPG ブランドは、商品を多く購入する貴重なユーザーを逃してしまうのです。

かつて小売業界を揺るがした激震に続き、今また、CPG 業界に変化の波が押し寄せています。これに立ち向かうのは容易ではないように思えますが、認識をわずかに変えるだけで、ビジネスによい結果をもたらし、変化に対応することができるのです。

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