顧客に共感されるブランドの世界観を表現するクリエイティブとはーレクサスの事例から

桂田 博司, Frederique Visser, 深海 孝二郎 2018年11月 ビデオ, 顧客体験(UI/UX), 自動車

レクサスのコンセプトは「心揺さぶる驚きと感動の体験」。その世界観に共感してくれる人に「正しいメッセージ」を届けることを目指したマーケティングを行ってきました。

これまではテレビ CM などを使ったイメージ戦略を中心に、レクサスの世界観を広く周知してきました。そして次のステップとして、「ブランドの世界観に共感する人」に絞り込み、それぞれの興味関心に「合うメッセージ」を届けるマーケティング手法を模索していました。

「レクサスの世界観に共感する人」をみつける

このプロジェクトには、レクサスインターナショナルのマーケティングチーム、電通のレクサスクリエイティブチーム、そして Google のクリエイティブチームが参加しました。

最初に行ったことは、
①レクサスブランドに共感してくれる顧客セグメントの見極め

まずはレクサスが設定した「4つの戦略顧客セグメント」とその顧客属性に近く、レクサスの世界観に共感し購入に関心を持ってこれそうなセグメントを、Google の分析ツール Insight Finder(オンラインでのユーザー行動データから、ターゲットとするセグメントの関心や特性を把握するツール)を使って見極めていきました(分析の概要は下図を参照)。

 

レクサスブランドに共感してくれる顧客セグメントの見極め

次に行ったのは、

②それぞれの顧客セグメントに届く、最適なクリエイティブの制作と配信

セグメントに響く最適なクリエイティブをみつけるため、Google のクリエイティブチームがこれまで蓄積した数多くの動画広告データを分析。4 つの顧客セグメントごとに最適と思われる 動画クリエイティブの要素を割り出しました。

この、興味関心に響きそうな要素をちりばめながら、4 つの顧客セグメントごとにカスタマイズした動画クリエイティブをレクサス、電通チームが考案・制作。そして広告配信は、YouTube 動画広告 TrueView を選択し、レクサスのテレビ CM 動画と、セグメントごとにカスタマイズした動画(下記参照)の 4 種類を配信しました。

最後に重要なのが、

③効果検証の実施です

広告配信後にその効果を正確に分析することで、さらに効果を高める施策の立案が可能になります。今回のプロジェクトでもこの点を重視し、レクサスブランドに共感してくれる人に適切なメッセージが伝わったのか、その効果を検証しました。

効果検証には、Google ブランド効果測定を活用。広告を配信する片方のグループ(テストグループ)にはセグメントごとにカスタマイズした動画を、もう一方(コントロールグループ)にはテレビ CM 動画を配信。調査期間中の他の要素(他の広告媒体による影響など)による影響を排除し、可能な限り精緻な効果検証を試みました。

効果検証の実施

ブランドの世界観に共感する人に、適切なメッセージは伝わったのか?

計測結果をみると、ほぼ狙い通りの結果がでていました。

4 つのセグメントすべてでテレビ CM 動画を閲覧したグループと比較して、セグメントごとにカスタマイズした動画を閲覧したグループでの「レクサス」関連の検索数が大きく純増していました(下図参照)。

「レクサス」関連の検索数

「レクサスの世界観に共感する人」に絞り込み、それぞれの興味関心に「合うメッセージ」を届ける、というこのプロジェクトの目標はしっかり達成できたといえます。

今後の展望

「当社ではこれまで、レクサスブランドを伝える媒体としてYouTube広告をあまり活用していませんでした。しかし今回の電通、Google との共同プロジェクトを通して、精緻な分析やセグメント化が可能なYouTube広告は、レクサスのような独自の世界観を持つブランドのメッセージを届けるのに適したメディアであると認識できました。

今回の成功要因の 1 つは、プロジェクト全体を通して一貫した協力体制をとれたことです。電通、レクサスチームのさまざまな知見を振り返りつつ、Google の客観的データと分析スキルを組み合わせたことで、新たな方向性がみえてきたのだと思います。今回得た知見から学びつつ、さらなるレクサスファンの拡大を目指していきたいと考えています。」
レクサスインターナショナル  沖野氏


「今回のプロジェクトでは、レクサスの世界観とその魅力を適切な顧客に届けるという目的のために、Google が持つクリエイティブの知見が貢献できて光栄に思っています。大量に蓄積されつつある動画マーケティングのデータを、どのように分析し、どう活かすのか、その戦略的活用が今後、成功のカギになってくるでしょう。これからも、さまざまなクライアントの成功のために Google のデータと分析力が活かせれば幸いです。」
Google クリエイティブチーム責任者 Ben Jones

 

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