電子商取引の拡大は様々な業界で進んでいます。経済産業省の調査によると、2018 年の化粧品、医薬品の EC 市場規模は前年比 8% 増の 6,136 億円でした。(*1)そうした中、富士フイルムは、2006 年に化粧品業界に新規参入。4 年後の 2010 年には売上高が 100 億円を突破。(*2)数多のメーカーがひしめく市場で、大きく成長しています。
マーケティングの課題──効率の良い定期購入顧客発掘
スキンケア商品は、個々人でニーズが異なり嗜好性が高い商品です。また、一度ブランドのファンになって貰えれば、長期的かつ定期的なリピート購入が期待できます。
「アスタリフト」は美しく年齢を重ねたい全ての年代の女性に向けて開発されました。国内販売会社の富士フイルムヘルスケアラボラトリーでも、ブランドの価値観に共感することでファンになり、長期的かつ定期的に購入してくれる顧客を効率良く探す方法を模索していました。
既存の定期購入顧客を分析、その結果を広告配信に活かす
富士フイルムヘルスケアラボラトリーでは、お客様にとってお得で続けやすい定期購入を新たに始める可能性の高い顧客を予測するために、既に定期購入している顧客を分析することからはじめました。その分析結果より、定期購入する可能性が高いと予測されるオンラインユーザーに広告配信することを実施しました(下図参照)。
図:実施したリピートユーザーを効率よく増加させる仕組み
これを実施するにあたり、実際の販売データを匿名化した上で Google アナリティクス 360 に連携し、Google 広告のオーディエンスの分析情報レポートで分析を行いました。
この分析結果を元に、ブランドの価値観に共感し、ファンになることで定期的に購入してくれる顧客に優先して広告配信できるのではないか、という仮説を元に YouTube 広告にてテスト配信しました。
これまでリーチできなかった新たな顧客層への接触を実現。商品関心度、サイト訪問率、平均購入単価、定期購入率が上昇
その結果、それまで利用していたオーディエンスセグメントのキャンペーンに対しユニークリーチを約 40% 純増させることに成功しました。
さらにテスト配信にて新たに接触したオンラインユーザーからは下記の成果を上げることができました(図参照)。
*関心度:ブランド効果測定による「サーチリフト測定」(オーガニック検索上昇率)
**平均購入単価:ウェブサイト上で YouTube 動画広告に接触したユーザーの分析結果
***新規ユーザーで定期購入に至った顧客の割合:富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー社試算
同社データマーケティング担当の白井勇輝氏、工藤有企子氏は次の様に話しています。「アスタリフトは富士フイルムが長年培ってきた写真フィルム分野の最先端研究を活かした商品です。体感していただくことで商品の良さを実感していただけると思います。今回、データを活用し、私どもの商品に関心・共感いただけるお客様を効率的に増やすことができたのは、大変素晴らしい結果でした。今後もより一層自社商品に共感していただけるコミュニケーションができるよう、様々な取り組みを行いたいと思います」