スマートフォンゲームでも「FINAL FANTASY」シリーズの海外展開を加速するために
現在、世界中の国と地域でスマートフォンゲームの普及が拡大しています。ある調査によれば、2019 年には全世界におけるゲームの売上のうち 60% がスマートフォンゲームになると予測されています。(*1)
それに伴い、日本以外の海外市場でもスマートフォン ゲームの拡大が予測されています。
この状況を活かすべく、私たちスクウェア・エニックスは全世界で累計 1億 4,400 万本以上を出荷・ダウンロード販売している「FINAL FANTASY」シリーズの人気タイトル「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS (以下 FFBE )」において、さらなる海外展開を視野に入れた戦略を模索していました。
ゲームをより楽しめるよう選択肢を増やす―アプリ内広告モデルを採用した背景
FFBE では、日本、アメリカ、韓国、台湾、フランス、ドイツなどが売上の中心となっています。南米や東南アジアなど、無料ユーザーが多くいる地域に対し、無課金のゲーム内アイテムの提供や、収益の確保をすることが、課題のひとつでした。
そして、その解決策として、FFBE Global 版ではアプリ内広告モデルの採用を決定しました。
これは、ゲーム内に表示される広告 (動画リワード広告) の視聴と引き換えに、アプリ内で利用できる特典 (例: ポイント、通貨、アバター、レベルなど) をユーザーに提供するというモデルです。今回の FFBE のキャンペーンでは、動画リワード広告の引き換えに、ゲーム内で「ラピス」と呼ばれる、召喚や体力の回復などさまざまな目的に使えるアイテム等を提供しました。
図:アプリ内で利用可能な動画リワード広告
このアプリ内広告モデルを採用したことにより、無料ユーザーでもゲームを楽しむことができる選択肢を増やすことに成功しました。この施策には、有料ユーザーに限定していてはゲームの開発や提供が難しい国でも、ゲームを楽しんでもらうことができたというメリットもありました。
8 カ国で「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」の収益が 1.82 倍向上
今回の施策の効果について、私たちは多角的に検証を行いました。たとえば、従来 FFBE のファンは多かったものの、有料ユーザーの割合が比較的少なかったマレーシア、タイ、インドネシア、ブラジル、メキシコ、ベトナム、フィリピン、チリの 8 カ国について、AdMob の動画リワード広告導入後、広告経由での収益は増加 ( eCPM (effective Cost Per Mille、 広告の 1000 インプレッション当たりの収益 ) は 1.6 倍に上昇 ) しました。また、上述の国に関してゲーム内広告の収益も 1.82 倍に向上したさせることができたことは、その顕著な手応えの一つです。
図:AdMob の動画リワード広告採用前後での収益向上
(マレーシア、タイ、インドネシア、ブラジル、メキシコ、ベトナム、フィリピン、チリ)
さらに世界中の人々に最高の「物語」を提供する
今回の施策に関しては、日本のスマートフォン ゲーム業界では前例のない取り組みだったため、スクウェア・エニックス社内でも慎重に議論が重ねられました。特に懸念されていた、「FINAL FANTASY」が最も重視しているゲームの世界観に影響を及ぼす可能性はないかという点については、実際のゲームの施策画面を確認しながら検討を繰り返して導入を決定しました。
今後は、FFBEブランドを世界中の多くのファンに楽しんでもらうことができるよう、新たなFFBEコンテンツである「War of the Visions 幻影戦争」をリリースします。グローバル版では、これまでの経験をいかし、より多くの国でさまざまなアプリ内広告モデルのフォーマットを積極的に導入していくことを予定しています。
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